記事やブログを投稿してサイトへのアクセス数を増加させるコンテンツSEOやコンテンツマーケティングを実施するにあたり対策キーワードの選定はとても大切です。
なぜなら、間違ったキーワードを設定してしまうと「順位が獲得できない」「サイトが成長しない」といった残念な結果に終わってしまう可能性があるからです。
この記事では、初心者には難しいキーワードの考え方や決め方、ツールを利用した簡単な選定方法など紹介します。
SEO対策用キーワードとは
SEO対策用のキーワードとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果で、上位表示を目指すための目標キーワードを指します。
目標キーワードを設定する理由は、基本的に1ページ1キーワードで作成する記事の順位対策を実施するためです。
そして検索エンジンは、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い(検索意図を満たす情報が記載された)コンテンツを検索上位に表示しています。
目標キーワードを設けることで、作成する記事の企画やユーザーニーズの分析がシッカリできるため、結果として「ユーザーの検索意図を満たした質の高い記事」の作成に繋がります。
目標キーワードの決め方
目標キーワードは無作為に選ぶ作業ではなく、「運営サイトの成長戦略」と「上位表示が見込めるキーワード」2つの視点から考える必要があります。
SEOキーワードの考え方
- サイトのテーマ・専門性を高めるキーワードを選ぶ
- 検索上位が獲得できるキーワードをピックアップする
基本的に2つの選定条件にあてはまるキーワードをリストアップします。
それでは、それぞれの考え方について詳しくご紹介します。
サイトのテーマ・専門性を高めるキーワードを選ぶ
同じジャンルの関連性が高いキーワードを選定して記事を増やしていくとサイトのテーマ性・専門性の向上します。
サイトの専門性が高まると対象ジャンルで順位を獲得しやすい状態となり、競合性の高いキーワードでもランクインできる状態になります。
キーワード選定例
例えば「魚」でテーマ性を高めたい場合は、「マグロ」「鯛」といった魚類ごとの特徴をはじめ、「ウロコ」「ヒレ」や「エラ呼吸」といった部位や生活の営みを扱う記事を追加すると専門的なサイトとしての評価が得られます。
WEBサイトを1冊の本に例えるなら、特定のジャンルに特化した「専門書」を作成するイメージで記事を追加していきます。
上位表示の可能性が高いキーワードをピックアップする
検索流入(SEO)経由での流入が発生している記事数が増加すると、サイトのパワーが向上して順位が獲得しやすい状態になります。
つまり、新規で作成していく記事に設定したターゲットキーワードで上位表示していく必要があり、できるだけ順位が獲得しやすいキーワードを選定しなければなりません。
質の低い記事の数(割合)が多くなると、サイト全体の評価が低下するケースもあります。
質の低い記事でのSEO失敗事例
以前、全国に店舗を構える不動産会社がサイトを強くするために、各店のスタッフに「とにかく毎日ブログを書け!」と指示を出して数1,000ページ以上のブログを作成している会社がいました。
ブログに何を書いていいのか分からないスタッフは、お昼に食べたランチの感想や業務報告など毎日がんばって文章を書き続けていたのですが、投稿したブログにアクセスはほぼ発生していない状態でSEO的な効果も得られず失敗に終わる結果となりました。
Googleの検索エンジンは、アルゴリズムで検索者が求めている情報が掲載されたコンテンツを上位表示しています。
「上位表示=アクセスが発生している」ページ数が多い(増えていく)ほど、本で例えるところの「良書」としてサイト全体を評価するため、順位が獲得しやすいキーワードを探す必要があるのです。
記事で上位表示できるキーワード選びのコツ
順位が獲得しやすいキーワードは3つの観点から選定をすると比較的容易にランクインできます。
キーワードを決定するポイント
- ロングテールキーワードから記事を作成する(サイトの状況により判断)
- 検索結果1ページ目に記事コンテンツが表示されている(必須)
- 政府機関、専門事業者、大手サイト以外の記事がランクインしている(必須)
確認するタイミングは記事を作成する前で、条件を満たしていない場合はキーワード候補から除外してください。
ロングテールキーワードから優先的に記事を作る
これからSEO対策をはじめるサイトの場合、競合性の低いロングテールキーワードをターゲットに記事を作成します。
ロングテールキーワードは、「SEO」のような単キーワード(ビッグキーワード)と比べて競合性が低く、比較的簡単に順位獲得の獲得が可能です。
ロングテールキーワードの月間検索ボリュームの目安は「1,000以下」で「3語以上」を基本としますが、ジャンルによって検索ボリュームの違い(多い・少ない)があるため相対的に判断します。
<キーワードの種類>
種類 | 月間検索ボリューム | 複合単語数 | 例 |
ビッグキーワード | 10,000以上 | 1語 | SEO、引越し、広告、格安SIM、占い など |
ミドルキーワード | 1,000~10,000程度 | 2~3語 | パート アルバイト ちがい、アウトソーシング 派遣 など |
テールキーワード | 100~1,000程度 | 3~4語 | マンション 6階 住み心地 など |
また、ロングテールキーワードを記事の題材にするもうひとつのメリットは「ユーザーのニーズが分かりやすく記事の構成案が作りやすい」ことです。
コンテンツSEOの初心者でもユーザーの検索ニーズを満たした質の高い記事が作りやすくなります。
検索結果に記事ページが表示されている
現在の検索結果に記事(コラム・ブログ)コンテンツが表示されていない場合、あなたのサイトで記事を作成しても上位表示される可能性が非常に低いためターゲットキーワードから除外します。
除外する理由は、Googleがユーザーのニーズを満たすコンテンツ形式が「読み物コンテンツではない」と判断し、あえて記事を表示しない検索結果を生成しているためです。
記事コンテンツが表示されていない検索結果の例
検索キーワード:弁護士
弁護士事務所が運営するサイトのトップページや、弁護士を探せるポータルサイトのカテゴリトップが表示されており、記事コンテンツが存在しない。
※辞書サイトやWikipediaは記事コンテンツとみなさない形で判断してください。
政府機関、専門事業者、大手サイト以外の記事がランクインしている
YMYL(Your Money Your Lifeの略)領域と呼ばれる、検索者の生命・健康やお金に対して重大な影響を与えるジャンルと、一部のキーワードの検索1ページ目に表示されるページが特定の運営元(ドメイン)に限定されている検索結果が存在します。
この場合、対象の運営元であることが検索上位に表示される条件となり一般のサイトでは上位に表示できません。
「コロナ 補助金 東京都」の検索結果例
「東京都」「商工会議所」「区役所」のページのみが表示される形になっており、一般企業が運営するサイトでは上位表示できません。
「コロナ 補助金 東京都」はYMYLジャンルにあたるキーワードであるため、信頼性の高い情報元であるサイトが表示される形で調整されています。
同じように「癌(がん)」などの検索結果には、「国立がん研究センター」や「病院」のページが検索結果に表示されます。
「au 料金プラン」の検索結果例
サービス提供元である「au」のページが検索1ページ目を占めており、意図的に運営元を検索結果に表示させているキーワードであるためこちらも一般サイトでは順位を獲得できません。
「au 機種変更」も同じような結果となっており、キーワード候補から除外する必要があります。
一方で「au 乗り換え」の検索1ページ目の上位にはauのぺージが表示されてはいるものの下位(調査時点では9位と10位)には情報系メディアが表示されています。
このようなキーワードの場合では、9位と10位にランクインしている記事をリプレイス(置き換わる)ことが可能であると判断できるため、記事の作成候補としてキーワードを採用します。
「引っ越し 相場」の検索結果例
大手の引っ越し情報サイト「suumo」「引越し侍」「Liful」「引越し価格ガイド」と、引っ越しの事業者である「アップル引越センター」、電力小売業者でドメインが強い「Looop」の記事ページが表示された検索結果。
明らかにあなたのサイトより「規模が大きいサイト」「誰もが名前を知っているサイト」「業界で有名な企業が運営するサイト」の順位を、SEOを開始したばかりのサイトではランクインが難しいためキーワード候補から除外してください。
ただし、あなたが所属する企業がキーワードに関係する事業者である場合、Googleから専門事業者が運営するサイトとしてのプラス評価が得られて上位表示できる可能性があります。
このような条件に該当する可能性がある場合は、試しに競合性が高そうなキーワードで記事を作成して順位が獲得できるようであれば選定候補としてしまって問題ありません。
キーワード選定の方法
これまでキーワードの選び方や考え方を説明してきましたが、キーワード候補を1つずつ手作業で探していたのでは見つけるまでの時間がかかってしまいます。
ここからは効率的にツールなどを活用してキーワードを選定する方法を紹介します。
軸になるキーワードの複合ワードを探す方法
単語一文字の軸になるキーワードからターゲットキーワードを探す場合、サジェストキーワードツールを利用します。
サジェストキーワードとは
ユーザーが過去に検索したキーワードを対象に、検索窓に入力した文字列に続くキーワードを自動で表示する機能です。
ツールを利用すると、検索窓で表示されている全てのサジェストキーワードが洗い出すことができ、ユーザーが検索窓に入力しているロングテールキーワードなどを簡単に探すことができます。
代表的な無料のサジェストキーワードツールは「ラッコキーワード」で調査したい単語を入力するだけで調べることができます。
画像:ラッコキーワード
抽出したサジェストキーワードをcsvでダウンロードできるため、データの収集作業も簡単に実施できます。
ただし、無料のサジェストツールでは検索ボリュームが表示されないため、Googleが提供するツール「キーワードプランナー」で検索ボリュームを別途調査する必要があります。
Google広告で出稿していない場合は、検索ボリュームの紹介は表示されず大まかな数値が表示されます。
<広告を出稿していないアカウントの表示例>
↑広告を出稿していない場合、検索ボリュームが大まかなレンジで表示されるため指標としての使い辛さがあります。
<広告を出稿しいるアカウントの表示例>
サジェストキーワードの一覧と検索ボリュームをあわせて調査したい場合、SEO記事の分析・企画支援ツール「tami-co(たみこ)」で調査が可能です。
選定したキーワードで上位表示するために満たすべきユーザーのニーズ(知りたいこと)や必要なコンテンツの分析ができるためコンテンツSEOを実施するサイトにおすすめのツールです。
競合が上位表示しているキーワードから選定する方法
同じジャンルの記事を扱っている、もしくはベンチマークしている競合サイトが存在する場合は、競合が順位を獲得しているキーワードをターゲットキーワードとする選定方法です。
また、あなたが運営するサイトと同じような規模のサイトが上位表示できているキーワードは、同じように記事を作成することで順位が獲得できる見込みが高いキーワードとして判断もできます。
対象サイトが順位を獲得しているキーワードや、被リンクの獲得状況などがチェックできる有償ツール「ahrefs(エイチレフス)」で確認できます。
ahrefsが優れた点は、競合サイトが上位表示しているキーワードの難易度(0~100点までの評価基準)が表示されているところです。
難易度はahrefsが独自にスコアリングした数値であって完璧ではないものの、おおまかな指標としてターゲットキーワードを絞り込むことがでる優れた機能です。
売上が見込めるキーワードはクリック単価を参考に探す
競合他社がリスティング広告を出稿しているキーワードは、売り上げや問い合わせが発生する見込みが高いキーワードであることがわかります。
つまり、リスティング広告が出稿されているキーワードは収益性が高く、上位表示ができれば広告費をかけずに見込み顧客をサイトに呼び込むことができます。
リスティング広告とは
検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を掲載されます。
「クリック課金方式」で費用が発生する仕組みで、広告主が1クリックあたりの単価(CPC)を設定することができます。
一方で、誰も入札していないキーワードで上位表示をしてもビジネスに貢献する可能性が低いこともわかります。
クリック単価はキーワードプランナーで確認することができます。
まとめ
キーワード選定はあなたが運営するサイトの状況にあわせて実施します。
新規のサイトや、これからSEOに取り組むサイトの場合、上位表示したいキーワードを見つけてピックアップするような作業ではなくサイトの成長戦略の観点を意識する必要があります。
初期の対策は、サイトのパワーとテーマ性を向上させるために競合性が低く、関係性のあるキーワードを選定します。
公開した記事で順位が獲得できるようになってきたら競合性が高く、収益貢献度の高いキーワードを作成していくイメージを持ち、状況に合わせてキーワード選びをしましょう。