CPMとは?広告費用の計算方法からどんな目的に適しているのか広告担当者向けに解説!

2022年7月13日

自社サービスの認知拡大や顧客獲得のために「web広告」を利用しようと思い、web広告について調べていると様々な広告方式があり「どれが自分達の目的に適しているのだろう…」と迷ってしまいますよね。

今回解説するCPMも、web広告の課金方式の一つです。そして、目的に適した広告を選ぶためには必要不可欠な知識でもあります。

この記事では、web広告初心者向けに「CPMとはなに?」「コストの計算方法は?」「どんな目的に適しているの?」など、気になるポイントをわかりやすく、徹底解説します。

CPMとは?

CPMとは、「Cost Per Mille」の略称で1,000回広告が表示される際にかかる費用のことを意味します。

「CPM+単価/課金方式」という2語掛け合わせで使われることが多いので覚えておきましょう。

  • Cost=費用
  • Per=〇〇あたり
  • Mille=1000(ラテン語)

と和訳とセットで覚えると意味を思い出しやすくなります。

またweb広告においては「表示回数=インプレッション(imp)」と表現されることも多いため、インプレッション単価またはimp単価という言葉は、CPM単価とほぼ同義として扱われます。

【比較表】CPMと混同しやすい広告用語

CPM自体の意味は簡単ですが、web広告において面倒なのが、CPMと似た言葉が複数あり混同しやすい点です。

特に、web広告運用を始めたばかりのときは、「CPMとCPCの違いってなんだっけ…」など、戸惑うことが多いと思います。

その「戸惑い」を少しでも減らすために、CPMと混同しやすい広告用語の比較一覧表を掲載しておきます。

用語 説明 補足
eCPM CPM課金以外の広告をCPMに換算する場合に使う指標。 クリック課金方式の広告とCPM課金方式の広告の費用対効果を調べるために、クリック課金方式の広告費用を「CPM」に換算して比較をする場合などに使われる。
vCPM 広告がユーザーに1000回「見られた」際にかかった費用のこと。 「見られた」と「表示」は意味が異なり、「見られた(vCPM)」場合は「ユーザーの媒体に○秒以上表示された場合」に1カウントされるのに対し、「表示(CPM)」の場合、画面に表示されなくともカウントされる。
CPC 広告が1クリックされる際にかかった費用。表示回数は加味されない。クリック課金型と呼ばれる。 CPC課金は、ターゲットを絞った顧客獲得が得意で、CPMはターゲットを広くとる認知拡大が得意。
CPV 動画広告1再生あたりにかかった費用のこと。視聴課金型と呼ばれる。 YouTubeやTwitter、Facebook、Instagramなどの媒体で使われることが多い。

一度に全ての広告用語を覚えるのは困難ですが、簡単に理解をしておいて都度調べていけば自然と身につきますから安心してください。

忘れそうな場合は、リーディングリストに入れておくと見返せて便利ですよ。

CPM課金広告の仕組み

つづいて、CPM課金広告の仕組みを簡単に説明しておきます。CPM課金の仕組みはシンプルで、「表示回数」によって費用が変化します。

  • クリック数→費用に関係しない
  • CV(顧客獲得数)→費用に関係しない
  • 表示回数→費用に関係する

ただし、この「表示」の定義には注意が必要です。

表示と聞くと「ユーザーの目に触れた回数」と思ってしまいがちですが、CPM課金の表示は「デバイスで広告が読み込まれたタイミング」で1カウントされるため、実際にユーザーの目に触れた回数とイコールではありません。

ですから、CPM課金の費用と広告効果があまりにも釣り合わない場合には「本当にユーザーに表示されているか」を確認したり、vCPM(ユーザーの目に触れた回数)課金方式に切り替えるなどの対策が必要です。

Google広告ヘルプにも以下のアドバイス文が掲載されていますよ。

多くの広告キャンペーンでは、ユーザーに広告をクリックしてもらうことを目指しますが、それが主な目的ではないケースもあります。多数のユーザーに広告を見てもらうことが大切かもしれません。このような場合は、視認範囲のインプレッション単価(vCPM)制を使用すると効果的です。

(参照元:Google広告ヘルプ インプレッションに基づく入札について

 

CPMの計算方法

CPMの計算方法はとってもシンプルで、以下の計算式で算出できます。

「かかった広告費用÷広告の表示回数×1000=CPM」

かかった広告費用÷広告の表示回数で、1表示あたりの費用を計算して、それに1000をかければ「1000回表示されるのにかかった広告費用(CPM)がわかるということです。

計算例:10万回表示され、全体の広告費用が1万円だった場合

1万円÷10万回×1000=100円(CPM)

CPM課金方式のメリット

ここで気になるのが「CPM課金方式を採用するとどんな良いことがあるのか」ですよね。

CPM課金方式のメリットは2つあります。

  • 広告費用の管理がしやすく想定外のコストがかからない
  • CTRを高めることができればクリック単価(CPC)が割安になる

とくに、コスト管理のしやすさがCPM課金方式最大のメリットですから、なぜ「コスト管理がしやすいのか」この機会に確認しておきましょう。

広告費用の管理がしやすく想定外のコストがかからない

web広告で絶対避けなければいけない失敗が「予算を超えて広告出稿をしてしまうこと」です。

その点、CPM課金方式では「1000回表示あたりの費用」を設定し、広告出稿に使える「全体予算」を設定することになるため、想像よりも高いコストが掛かってしまう可能性が極めて低くなります。

具体例:広告全体の予算100万円、CPM単価1万円で設定した場合

全体費用が100万円を超えることはなく、1000回表示するために1万円以上の広告費用をかけることがない状態で運用ができる。

また、CPM課金の場合予算の範囲内で「表示回数が最大化」されるように配信してくれる場合がほとんどですので、運用面、コスト面ともに管理が楽という特徴があります。

想定外のコストがかからない点は、CPM課金の大きなメリットといえますね。

CTRを高めることができればクリック単価(CPC)が割安になる

CPM課金2つめのメリットは、「CTR(クリック率)」を高めることができれば、クリック単価が割安になる点です。

CTRとは「広告がクリックされた回数/広告の表示回数」で算出されるクリック率のことで、クリック率を高めると「1クリックあたりにかかった費用」が割安になります。

例:表示回数は10万回、CPM単価10万円の場合

    • CTR=1%の場合→CPC(クリック単価)は100円
    • CTR=5%の場合→CPC(クリック単価)は20円(割安!)

CPMの場合、クリック数はコストに影響を与えないため「クリックしたくなるようなタイトル文、バナーデザイン」の広告を作ることで、CPC(クリック単価)を安く抑えることができるのです。

クリック率の高い「CPM課金広告」を作ることができれば、費用対効果もグンと上がることでしょう。

CPM課金方式のデメリット

CPM課金方式にもデメリットはあります。

特に「広告出稿の目的」と「CPM課金方式」がミスマッチしている場合、広告費が無駄になってしまう可能性があるため注意が必要です。

配信範囲・媒体を精査しないと費用対効果が悪くなる

CPMは「表示回数を最大化」してくれる便利な広告方式ではありますが、やみくもに表示させるだけでは費用対効果が低くなってしまうリスクがあります。

例えば、閲覧しているサイトやSNSの内容と全く異なる広告が表示されていても、クリックしてみようとは思いませんよね。また、明らかに低クオリティなバナーが表示されていても関心を引くことは困難でしょう。

CPM課金で広告配信をする際は、「出稿する広告のクオリティ」と「配信先とのマッチ度」を気にかけるようにしましょう。

顧客獲得(CV獲得)の目的の場合非効率になる場合が多い

CPM課金方式は、顧客獲得より「サービスやブランドの認知」に有効な広告形態です。

ですから、顧客獲得のために運用するのは非効率になってしまう可能性が高いので注意しましょう。認知は十分あるから顧客獲得をしたいという場合には、「CPC(クリック単価)課金方式」の広告出稿がおすすめです。

CPC課金の場合は、ユーザーを絞って「顕在化しているニーズ」にアプローチができます。

CPM課金方式はどんな目的で使うのがおすすめ?

CPM課金方式は、「新しいサービスや自社商品の認知拡大」などに適しており、ユーザーに対して広く浅く知ってもらう広告形式といえます。

  • サービス内容/商品の質はいいのに、認知度が低く売れない
  • 新サービスをローンチしたから初動で認知拡大をさせたい

という目的にはCPM課金方式がおすすめです。また、表示から閲覧に至ったユーザーの属性を分析すれば「どんなユーザーに刺さるサービス/商品なのか」を知ることもできます。

CPM課金方式で失敗しないためのコツ

では、CPM課金方式で失敗を避け効果的に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。CPM課金方式で重要なポイントは以下の2点です。

  • 出稿しようと考えている商品を徹底的に自社分析する
  • 出稿を考えている商品は「どんなユーザー」の「どんな悩みを解決できるか」を考える

CPM課金方式はあくまでweb広告の1種に過ぎません。広告出稿が成功するかどうかの鍵を握っているのは「どれだけ高品質な広告をつくれるかどうか」です。

どれだけ広告運用のテクニックがあっても、運用するページが低品質では認知拡大は難しくなってしまいますからね。

まずは、自分達の商品、サービスのメリットは何か、デメリットは何か、利用するとユーザーにとってどんな素晴らしいベネフィットがあるのかを考え、広告を作成することが「CPM課金方式」で費用対効果を高めるうえで最も大切なポイントです。

認知拡大が目的ならweb広告×SEO施策がおすすめ!

今回は、web広告の出稿形態の一つ「CPM広告」について解説しました。

ただ、web広告のみに頼ってしまうと「費用面」で課題にぶつかることもあります。そうならないためにおすすめなのが「SEO施策とweb広告」を同時に行う方法です。

SEO施策は検索エンジンにおいて自社ページを上位表示させ「ユーザー流入」を狙う手法のことで、web広告と異なり広告費用がかからないのが最大のメリットです。

もし、今認知拡大で苦戦している場合には「SEO施策」も有効な手段の一つだということを覚えておきましょう。

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