会社に入社する際、試用期間や研修期間について説明などがありますが、試用期間と研修期間の違いについて簡単に述べます。試用期間は仕事に対する適性を見極める期間のことで、おおむね3か月の期間を設定している場合があります。多くの場合雇用契約書に記載もされます。それに対し研修期間は、仕事の技術習得、勉強する期間となり期間もまちまちです。雇用契約書などには明記されない場合が多いです。
試用期間中でも即日で退職はできない
試用期間中の労働契約は、解約権留保付労働契約と呼ばれ試用期間中の労働者に対し、正規雇用したとしても続けていく見込みがない場合に労働契約を解約する権利を使用者に認めているものです。
これは、正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣でも同様の扱いとなります。
試用期間中でも解雇すること自体は可能ですが、試用期間の経過日数によって扱いが異なります。
試用開始から14日を過ぎている解雇の場合
通常の解雇と同じ手続きをしなければいけません。
解雇する際、最低でも30日前に労働者に解雇予告をする必要があり、30日前に解雇予告をしない場合は、解雇までの日数に応じた解雇予告手当を支払う必要があります。
試用開始から14日以内に解雇する場合
労働基準法第21条の規定により、解雇予告をすることなく解雇することが可能です。
ただしこれは自由に解雇が可能といえるものではなく、試用開始から14日以内でも客観的に合理的理由が必要と言われていますので、社会通念上相当な理由なく即日解雇することはできないということになります。
試用期間中に即日で退職できるケース
試用期間中でも会社との間に労働契約は成立しているので、法律に従い退職する2週間前に意思を伝える必要がありますが、ここでは即日で退職できるケースを紹介します。
会社と合意が得られた場合
試用期間中に、本人の病気やケガなどの体調不良、家族の病気等で介護が必要など家庭の事情でどうしても勤務を続けることが難しくなった場合など、会社との合意が得られれば、即日で退職できることがあります。
あくまでも本人と会社との間に合意が必要になるため、まずは会社に相談してみることが良いでしょう。
契約内容と業務内容が異なる
雇用契約書と実際の業務内容が著しく異なる場合も、即日に退職できることがあります。
例えば看護師の場合、雇用契約書には記載のない夜勤や交代勤務業務の強要などが当てはまります。
雇用契約書には就業時間だけでなく、賃金や残業代計算の明記など重要なこともきちんと記載しているかについての確認も重要です。
雇用契約を結ぶ場合は、雇用契約書の内容をよく読み理解する必要がありますので、疑問に思うことがある場合はそのままにしておかず質問などで理解しておきましょう。
退職希望日の2週間前に申し出る
試用期間中に退職できるケースの一つとして、退職希望日の2週間前に雇用主に申し出るという方法もあります。これに関しては試用期間中だけでなくその後の期間にも当てはまります。
退職希望者は少なくとも退職希望日の14日前に退職の意思を雇用主側に伝えるという法律で決められたことであり、雇用主はこれを承諾しなければいけません。
会社の規則で退職希望は1か月前までに知らせるなど記載されている場合もありますが、これに関しては法律的な強制力はありません。
しかし、後任の採用や引継ぎ業務など会社側の都合もあるので、2週間以上前に退職する意思が固まっている場合は早めに申し出るのも選択の一つでしょう。
メールや電話で退職を伝えるのはアリ?
いざ退職を決めた場合、どういう方法で退職を会社側に伝えればいいのでしょうか?会社まで行かずに退職報告をすることが可能なのか?気になりますね。
以下に退職報告をする方法について記載します。
退職報告自体は特に様式や書式などは定められていません。
用紙などで退職報告を用意する必要性は法律でもうたわれていないため、メールや電話で退職を伝えるのも問題ありません。
特に、会社に行くことや電話での報告が気まずい場合や、要件の切り出し方が難しい場合、メールでの退職報告も方法の一つです。
直接会社に行くことが難しく、バックレしてしまうくらいでしたら、メールや電話を有効活用するのも一つの方法ですね。
即日退職ができた場合の給料はどうなる?
即日で退職出来た際、それまで働いた分の給料が支払われるのかについてですが、労働基準法第24条に「賃金全額払い原則」とあり、雇用主は働いた分の給料を支払う必要があります。
労働の対価としての給料ですので、即日退職でも入社3日目であっても働いた分の給料は発生します。
支払わられる給与が減額させる・されないについてですが、月給制の場合日割計算で支払われることが一般的です。
例えば31日の月の場合、(固定給÷31)×実際の勤務日数となります。
時給制の場合は実際に働いた時間分の給料となりますので、減額させる・されないについては、特に気にする必要はないでしょう。
即日退職をして損害賠償を請求されることはある?
労働者からの一方的な連絡で試用期間中に即日退職をした場合(合意なし)、会社側から損害賠償を請求されるリスクや支払う義務があるか気になるところですが、労働基準法第16条「賠償予定の禁止」により、労働契約の不履行として違約金を定め損害賠償額を請求してはならないことになっています。
即日退職や入社3日目での退職でも、万が一会社側から損害賠償を請求された場合は、最寄りの労働基準監督署に相談してみましょう。
試用期間中に退職したら失業保険は支払われる?
いわゆる失業保険と呼ばれる、雇用保険(基本手当)が、試用期間中に退職した場合に支払われるかについてですが、雇用保険(基本手当)の支給には以下の条件があります。
自己都合退職の場合、雇用保険(基本手当)の受給資格は退職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要となります。
会社都合退職の場合は退職前1年間の間に、被保険者期間が6か月必要となります。
試用期間中に自己都合退職した場合、前職からの被保険者期間が通算で12か月を超えていれば支払い対象、そうでければ支払い対象とはなりません。
退職の切り出し方とタイミング
退職の切り出し方とタイミングについてですが、どういった時に会社に伝えるのが一番いいのか?これに関してはご自身と会社両方が一番納得するような都合を考えると円満な退職ができるでしょう。
例えば、会社の繁忙期を避けて退職についての話を切り出す、またはご自身の転職先と転職時期を加味した上で退職の意向を伝えるなどです。
ただし、体調不良など家庭の事情または、即日退職、入社3日目など短期での退職は、ご自身の状況優先で退職を切り出してもいいでしょう。
あくまでも、退職するご自身が極力ストレスを感じることのない退職報告の切り出しタイミングが一番重要です。
「辞めたい」を言えない場合は退職代行サービスがおすすめ
急な都合での退職や体調不良での退職を余儀なくされたり、どうしても「辞めたい」と会社に伝えることが難しい場合でも、できればバックレは避けたいです。
かといって、自分で退職を伝えることが困難な場合もあります。そういう時に何かいい方法はないのでしょうか?
そういう場合に役に立つのが、退職代行サービスです。
「辞めたい」を言えない方の代わりに、雇用主、会社宛てに退職の意向を伝えるサービスです。
雨後の筍のように退職代行サービスが世の中にあふれてきていますが、弁護士資格のない業者が代行業務をした場合、退職が無効になることもありますので、退職代行サービスを選ぶ際は慎重に考えたほうがいいでしょう。
ここでは代表的な退職代行サービスの退職代行サービスSARABA、弁護士法人みやびの退職代行サービスの2社を紹介いたします。
退職代行サービスSARABA
退職代行サービスSARABAは次のような悩みをお持ちの方にお勧めです。
- 会社を辞めたくても上司に言いづらい
- 人手が足りなくて辞められない
- 上司と顔も合わせたくない
- 会社に馴染めない
- 残業が長すぎる
- 辞めたことを家族にばれるのが嫌
退職代行サービスSARABAを利用するメリットは、
- 自分で退職する旨を伝える必要なし
- 郵送で手続きが済むので顔を見せずに退職できる
- 親にバレないように退職できる
- 苦痛から解放される など
退職代行サービスSARABAは労働組合ですので会社との交渉が可能。交渉しない場合は違法になりますので、会社は交渉に従わないといけません。
それ以外にも、退職出来なかった場合の全額返金保証。
可能な限り、深夜でも休日でも相談対応可能で、ご自身で退職する旨をつたえる必要もありません。
さらに、退職が決まれば無料の転職サポートもありますので、転職活動の心配もなさそうですね。
弁護士法人みやびの退職代行サービス
弁護士法人みやびの退職代行サービスは次のようなお悩みを持った方にお勧めです。
- 今すぐ会社を辞めたい
- 辞めたいのに辞められない
- もう会社に行きたくない
- もうストレスの限界
- 長時間労働で仕事量が多すぎる
- 休みが取れない
- 人手不足で辞められない
- パワハラやいじめが酷い
- 揉めそうでこわい
- 将来性のある会社で働きたい
- 自己負担額が多すぎる
- 家族にバレずに退職代行を依頼したい
- 入社前と入社後では話が全然違った
- 就職して間もなく向いていないと気づいた
- 有給紹介して退職したい
- スムーズに会社を辞めたい
- 確実かつすぐに辞めたい
- 円満退社したい など
弁護士法人みやびの退職代行サービスは、会社との直接のやり取りが一切不要で即日円満退職でき、未払い給与の請求や交渉もできます。
全国どこからでも利用でき、最初に24時間いつでもLINEやメールで無料相談できるのも強みです。
通常だと困難なケースも安心して任せられ、退職時に気になることの一つの損害賠償請求に関しても対応可能です。
会社に残してきた私物に関しても対応可能です、細かいことかもしれませんがこれかなり重要だと感じます。
どちらの退職代行サービスも多少の費用の違えはありますが、目指すゴールや交渉に関しては同じだと思います。
最初の相談は無料の場合が多いので、ご自身との相性や緊急性などの加味した上で数社の中から選択してみるのも方法の一つですね。
辞めたい旨を会社に伝えることが難しいとお考えの方は、まずはお気軽にプロに相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回、試用期間中の退職や即日退職できるかなどについて説明してまいりましたが、大事な事は退職するようなことになった場合に、ご自身の負担をそれ以上に増やすことだけは避けていきたいということですね。
即日退職することで会社から損害賠償請求されることもあまりありませんし、もし損害賠償請求されそうな場合には、管轄の労働基準監督署や、先ほどの項で述べた退職代行サービスを使用することをお勧めします。
退職の意向を伝えることで、人間関係が気まずくなってしまったり、体調不良になってしまうくらいでしたら退職代行サービスに依頼し、心機一転で新たな就職活動をすることができるでしょう。