CMSを利用することで、ウェブサイトを簡単に作成できます。
ただし導入にあたってはいかに自分・自社に合ったCMSを選定するかが重要です。
一度導入したら長期間利用することになるため、どのようなウェブサイトを作りたいかをしっかりとイメージして、できれば実際に使ってみることをおすすめします。
この記事では、これからCMSを導入しようとする方のために、CMSとは何かをはじめ、選定に必要な情報として特性や分類、メリット・デメリットを紹介します。
CMS導入の第一歩へ向けて、ぜひ参考にしていただければと思います。
CMSをわかりやすく簡単に解説
CMS(シーエムエス)とは、コンテンツ管理システム(英名:Contents Management System)のことです。
ウェブサイトを構成する文字・画像・データなどを「コンテンツ」と呼びます。
CMSは、「コンテンツ」を統合的に管理し、表示や配信を行うためのシステムの総称です。
従来、ウェブサイトを作成するためには、以下のような技術知識が必要でした。
ウェブサイト作成に重要な技術要素
- 基本的な記述ルール: HTML・CSS
- データの管理: MariaDBなどのデータベース
- 動的な表現をするためのプログラミング:JavaScript・PHP・Java・Pythonほか
- アプリの動作環境:サーバーOSやその他必要になるミドルウエア
- ネットワークとセキュリティ: セキュリティ対策技術
これらをすべて習熟することは難しく、書籍や講習などを利用するにしても時間とお金がかかってしまいます。
またテキストエディターなどでページごとに作成しますが、この方法では編集中に表示イメージを確認できません。思いどおりのウェブサイトを作り上げるまでには、時間がかかるという難点がありました。
そこで、誰でも簡単にウェブサイトを作成できるシステムとしてCMSが作られました。
CMSを使ってできること
CMSの多くはWebブラウザからアクセスできる管理機能を利用して、コンテンツをデータベースに整理して格納します。
その上で、それぞれのコンテンツをどのように表示するかを、パワーポイントやワードのように直感的な編集ツールでイメージしながら編集できます。
データベースに保存したコンテンツは、表示するページによって見せ方を変える、サイト全体の色やレイアウトを一括で変更することも可能です。
このように、高度な知識がなくても簡単に素晴らしいウェブサイトを作ることができるのがCMSのメリットです。
料理に例えると、素材を買ってきて切って煮て焼いて味付けして完成させるのが従来の方法で、冷凍食品やお惣菜を買ってきて温めてサッと出来上がるのがCMSのイメージになります。
CMSの種類
CMSは、システムの開発方法やライセンスの提供価格などの切り口で大別すると、以下の3種類があります。それぞれの違いや特徴を詳しく説明していきます。
CMCの種類
- フルスクラッチ型CMS
- オープンソース型CMS
- 商用パッケージ型CMS
オープンソース型CMS
オープンソースとして提供されてるCMSを「オープンソース型CMS」と呼びます。
オープンソースとは、システムのソースコードが公開(オープン)されており、基本的には無料での利用が認められている提供方式です。
規約に従う必要はありますが、利用者側で自由にカスタマイズできるのがメリット。特定の企業や個人が提供しており、多くは有志によって開発・メンテナンスされています。
W3Tecs(World Wide Web Technology Surveys)の調査結果によると、2022年4月時点で世界で最も使われているCMSはWordPressで、「オープンソース型CMS」に分類されます。
WordPressは主に、ブログ記事の編集・投稿機能、固定ページの編集機能を備えており、その機能のわかりやすさと使いやすさで人気を集めているのです。
多くのテーマやプラグインも多数開発され、サイトに独自性を持たせることもできます。システムはMariaDB(旧MySQL)とPHPをベースとしたオープンソースのため、技術があれば個人で機能を追加・修正することも可能です。
その反面、公式のサポート窓口はありませんので、障害や問題が発生した場合には自身で対応する必要があります。
商用パッケージ型CMS
「商用パッケージ型CMS」とは、ソフトウエアベンダー(開発会社)から有料で提供されるCMSのことです。
パッケージとは、もともと箱に入った状態で販売されている既製品を表しています。しかし、必ずしも箱に入っているわけではなく、店頭や提供元のサイトなどから購入して手を加えずに使える製品もあります。
代表的な商用パッケージCMSとして、ADOBE EXPERIENCE MANAGER、Microsoft SharePoint などが有名です。
商用パッケージ型CMSには、サーバーにインストールして使用するオンプレミス型と、クラウド上で提供されるクラウド型があります。
どちらも初期導入費用・年間使用料・サポート(保守)費用などの費用が発生します。システム障害や不具合などの問題が発生した場合にはサポート契約にもとづいてベンダーが対応してくれます。
どの製品を選ぶにしても、せっかくの投資を無駄にしないよう、標準提供されている機能を確認することが大切です。そして、やりたいことが実現できるかどうかを、しっかりと調査・分析して導入してください。
フルスクラッチ型CMS
フルスクラッチ型CMSとは、利用者である企業が、自社のウェブサイト専用に開発したCMSのことです。
フルスクラッチとは、完全オリジナルで一から作ることを表す用語です。
顧客とのエンゲージメント促進、特殊なマーケティング手法の実現など、独自のコンテンツが必要な場合に採用されることが多く、一般に認知・提供されるものではありません。
自社でのサイト編集を行うためにCMS機能を備えてはいますが、ほとんどがオリジナルのウェブアプリケーションで構成されています。
希望するあらゆる機能を盛り込むことが可能な反面、ソフトウエアベンダーまたは社内のシステム開発部門にて開発することになります。そのため、実現したい機能によっては莫大な時間と費用が必要です。
既存のCMSをさらにカスタマイズしたい場合は、フルスクラッチ型を採用してみてください。
CMSを導入するメリット
CMSを利用するならば、そのメリットを最大限に活かしたいものです。
CMSを導入するメリットは以下の3つです。それぞれを詳しく説明していきます。
CMSを導入する3つのメリット |
|
初心者でも簡単にウェブサイトを更新できる
CMSはプログラミングの知識がない初心者でもウェブサイトを簡単に更新できるのがメリットです。
CMSの編集機能の多くは、使いたいパーツを選択して画面に配置します。テキストエディターで難解なアルファベットを羅列する必要はなく、パワーポイントでのプレゼンテーション作成に近い方法でウェブサイトを更新が可能です。
このような機能を利用すると、編集方法の学習に時間を割かずに、コンテンツの中身(記事やデータの質)に集中できます。
ただし、どうしても細かい見た目の調整をしたい場合は、CMS活用の合間にはHTMLやCSSの学習をおすすめします。
コンテンツ作成の分業化がしやすい
従来の編集方法では、1つのページが1つのファイルで構成されています。そのため、同時に編集することができないという問題がありました。
CMSでは、ウェブサイトを構成するコンテンツをそれぞれ独立して編集が可能です。
そのため、同じページに複数のコンテンツパーツが配置されていたとしても、バーツごとに分担して同時に編集できるのがメリットです。
また、編集担当者ごとにできること・できないことの制限もできます。編集を限られた人だけに任せる時や、誤ってコンテンツを削除した場合でも、被害を最小限に抑えられます。
WEBブラウザから直感的に編集ができる
CMSでは、ウェブサイトの更新のために特別なアプリをインストールする必要はありません。
ChromeやEdgeなどのWEBブラウザですべての操作が可能です。簡単な編集内容であればスマートフォンやタブレットでも対応できます。
例えば、WordPressで画像を表示する際は、画像ファイルをドラッグ&ドロップし、大きさもマウスで調整できるほど簡便化されています。
特定形式のコンテンツに特化しているため、ワードやエクセルよりも使いやすいかもしれません。
特別な知識がなくても、編集できるのがCMSのメリットといえるでしょう。
CMSを導入するデメリット
ここまでメリットを説明してきましたが、その一方でデメリットも存在します。
CMSを導入することのデメリットは以下の3つがあります。それぞれを詳しく解説していきます。
CMSを導入することによるデメリット3つ |
|
デザインや機能が制限される
CMSを利用した場合、デザインの自由度がやや低下する傾向にあります。
例えば、コンテンツのパーツを横に3つまでしか配置できない、必ずヘッダーエリアを表示しなくてはいけない、などです。動画配信機能を持たないCMSではどうやっても動画を配信できません。
そのため実際に利用する前に、どのような機能があるのかを確認して検証しておく必要があります。
オープンソース型の場合は、別途プラグインと呼ばれる拡張機能が提供されていますので、あらかじめ探してみましょう。
商用パッケージ型やフルスクラッチ型の場合は追加開発をベンダーに依頼して、機能を追加してもらうことを検討してみてください。
ウェブサイト移行や操作方法などの専門知識が必要
CMSを利用したとしてもウェブサイトの初期環境構築は必要ですし、いずれサーバーの変更を行う場合はデータの移行作業も必要になります。
また操作が簡単とはいえ、CMSによっては複雑な機能を備えているものもあります。使いこなすためには、CMSのマニュアルなどを参照して習熟していくことも必要です。
このように、ウェブサイトを運用していくためには、ある程度の専門知識を身につけなければなりません。
そのため、操作方法や今後の運営に不安があるようなら、サポートが充実している商用パッケージ型の採用をおすすめします。
セキュリティ対策が必要
CMSには基本的なセキュリティ対策が施されています。利用する場合は常に最新のバージョンとしておくことが大切です。
古いバージョンは脆弱性が見つかりやすく、攻撃されやすい傾向にありますので、一定期間ごとにバージョンチェックと最新化が必要になります。
バージョンアップする際は、これまで使えていた機能が突然使えなくなるなどの不具合が発生することがあります。そのため、可能な限り検証用の環境で試した上で本番の環境に適用するべきです。
また、CMSだけでなく、OSやデータベースなどの関連ソフトウエアについても脆弱性がないかを定期的に確認をおすすめします。
国内では、IPA(経済産業省の関連組織 情報処理推進機構)にて、セキュリティ情報が公開されています。
ウェブサイト運営を効率化するならtami-co
CMSによって簡単にウェブサイトを構築できますが、ウェブサイトは構築して終わりではありません。
継続的に検証して見直すことで効果を最大化できます。
そんな時に役立つのがコンテンツマーケ・コンテンツSEO対策ツールのtami-coです。特にWebメディアやブログ記事を作成するSEO対策に特化しています。
2時間以上かかる競合サイトやキーワードの分析を自動化。わずか3分で分析を完了してくれます。
キーワードだけでなく、記事のタイトルや見出し、競合の順位など、あらゆる角度で分析できるのがメリット。SEO記事で集客したい人の味方となってくれます。
分析した結果を記事に反映する際も、CMSなら簡単にかつ分担して対応できます。
7日間の無料トライアルもありますので、興味のある人はぜひ活用してみてください。
CMSを導入して良質なコンテンツを生み出そう
ここまでCMSについて解説してきました。
どのくらいの規模で、どのような機能をもったウェブサイトを作りたいのかをしっかりと分析した上で、CMSを利用すべきかどうかを決定しましょう。
個人でブログサイトを作るならば、WordPressは優先度最上位の選択肢となります。各業種に特化した製品もありますので、気になるCMSがあれば開発元や販売元に問合せてみてください。
CMSを利用することで、簡単にすばやくウェブサイトを作成することができ、継続的に分担して更新を行えます。これからウェブサイトを作成する方は、CMSを検討してみましょう。