引っ越しの訪問見積もりだけど「部屋が汚い」「片づけていない」場合の対処法
引っ越し業者に問い合わせをすると、自宅への訪問見積もりの日程調整をお願いされる場合があります。単身赴任などでひとりだけが引っ越しする場合は、電話見積に対応している業者もあります。
しかし、家族全員で引っ越しするような場合は、荷物が多いため訪問見積もりが必要になります。誰しも部屋が汚い・片付けていない状態を見られることは、引っ越し業者であっても嫌かもしれません。そのような場合の対処法についてご紹介します。
引っ越しの訪問見積もりの目的
訪問見積もりは、自宅を引っ越し業者が見て、荷物の総量を把握し、作業員の人数やトラックのサイズを決めるための作業です。自宅付近の道路をどのサイズのトラックが走行できるかも確認しています。人件費などが引越し費用に反映されるため、正しく引っ越し費用を見積もるためにも訪問見積もりは重要な確認作業です。
引っ越しの訪問見積もりは部屋が汚くてもOK
引っ越し業者の訪問前にわざわざ部屋を片づける必要はありません。引っ越し業者にとっては、荷物の量を把握することだけが目的です。引っ越し業者は、散らかった汚部屋でも訪問見積もりを行っています。部屋がきれいかどうかは気にしていません。
また、見積もりにくる担当者は営業担当です。引っ越し当日に来ることはないため、一度きりしか会わない人と割り切って対応できます。
訪問見積もり前に片付けをするメリット
部屋が片付いていないまま、引っ越し業者を家に招いても問題ありませんが、正確な見積もりをしてもらうためにも、引っ越し荷物と捨てる荷物を区別できるような工夫が必要です。
訪問見積もりの目的は引っ越し荷物の量から作業員の人数やトラックの大きさを決め、引っ越し費用の見積もりをすることです。捨てる予定の荷物と持っていく荷物が混在した状態で訪問見積もりを受けると、必要以上に大きなトラックを手配される可能性もあります。部屋が汚いままでも問題ありませんが、引っ越し荷物がわかりやすいよう整理した方が正しく見積もることができます。
見積もり前の片付けはこんな方におすすめ
- 引っ越し前に捨てる予定のものが多い
- 捨てるものと捨てないものが区別できていない
- 荷物が多すぎて全体が把握できない
- ゴミが多すぎて全体が把握できない
捨てる予定の物を、すべて捨てる必要はありません。捨てる物と捨てない物をできるだけ区別して片付けることをおすすめします。
訪問見積もりはどこまで見るの?
引越し業者が費用の見積もりに関係しない場所をわざわざ確認することはありません。引っ越し業者の訪問見積もりは主に「荷物量や大きさ・個数の確認」「荷物を運ぶ経路」「エアコン・洗濯機などの撤去・設置オプション」などを確認します。
引っ越し業者が基本的には見ない場所を以下にまとめました。
見られない場所
- タンスの中身
- 収納ボックスの中身
- トイレ
- 浴室
収納ボックスの中身やタンスの中身は見積もりに関係しないため、基本的には見られることはありません。ただし、どの程度の荷物が入っているか確認するために引き出しを開ける場合もあります。透明なボックス収納の中身に見られたくないものが入っている場合は、タオルや布で隠すようにしましょう。
クローゼットの中に大型の家具などをしまっている場合は、引っ越し業者に確認してもらった方が正確な見積もりが算出できます。トイレと浴室以外の部屋はすべて確認されると考えていただいてかまいません。
それでも見られたくない場所は、あらかじめ荷物の量を口頭で説明できるようにします。ベットのマットレスが汚い、散らかっている部屋があるなど、見られたくない場所は隠すか簡単に片づけることをおすすめします。
訪問見積もりが嫌な場合の対処法
訪問見積もりに抵抗がある方は、インターネットを使った見積もりが可能な引っ越し業者に頼むことも選択肢のひとつです。家族単位の引っ越しは荷物が多くなるため、引っ越し業者は訪問見積もりをすすめます。
それでも、さまざまな理由で業者を家に招くことが嫌な場合もあるでしょう。しかし、最近ではインターネットを使って見積もりができる引っ越し業者も存在します。内容は大きく分けてWEB見積もりとビデオ通話などを使った見積もりです。この2つの見積もりとはどのようなものなのか解説します。
WEB見積もりとは
訪問見積もりを行わずに、WEB上の入力だけで完結する見積もり方法です。後述するビデオ通話による見積もりと異なり、部屋の中を見られることはありません。ただし、対応している引っ越し業者は少ないことが難点です。
WEB見積もり
WEB上に必要事項を入力するだけで、引っ越しの見積もりができる仕組みです。必要事項とは、引っ越し前の住所・引っ越し先の住所・荷物の種類や数・エアコンや洗濯機の撤去作業などです。WEBの質問に答える形で進めることができます。
WEB見積もりを行っている引っ越し業者を調査したところ、以下の10社がありました。
WEB見積もりの場合、入力漏れがあると見積り金額より請求額が多くなる可能性もあるためご注意ください。
ビデオ通話などを使った見積もりとは
ビデオ通話などを使って、リモートで見積もりを行う方法です。ビデオ通話を使うため、部屋を見せる必要があります。新型コロナウイルスの影響で自宅に他人を入れたくないという要望に答えるため、対応する引っ越し業者が増えています。
ビデオ通話などを使った見積もり
LINEやZoom、Facebookなどのビデオ通話機能を使って、訪問見積もりをリモートで行います。インターネットから見積もり日時を予約してください。その日時に引っ越し業者とビデオ通話をつなげて荷物の量を確認してもらう方法です。
散らかった部屋を見られたくない理由で訪問見積もりを避けたい場合、ビデオ通話を使った見積もりではあまりメリットを感じないかもしれません。しかし、直接見られるわけではないため、散らかった場所を映さないように気をつけることはできます。
他にも、奥様だけで対応する際に、男性の担当者を家にあげることに抵抗がある場合は、ビデオ通話を使うメリットがあります。
訪問見積もりなしで、ビデオ通話などを使った見積もりを行っている引っ越し業者はいくつかあります。
ビデオ通話には、カメラ・マイク付きのパソコン・タブレット・スマートフォンが必要です。また、見積もりには30~40分程度かかります。ビデオ通話の通信料は自己負担となるため、Wi-Fi環境が推奨されます。アプリのダウンロードが必要な場合もあります。
見せたくない部屋がある場合は、その部屋の荷物量を把握できるよう口頭で説明する必要があります。荷物を少なく見積もってしまうと、実際の請求額が高くなる可能性があります。
引っ越しの訪問見積もりでよくある疑問・質問
訪問見積もりの必要性を感じない方や初めて経験する方に向けて、訪問見積もりに関するよくある疑問や質問について解説します。訪問見積もりを依頼するときの参考にしてください。
訪問見積もりで営業が帰らない場合はどうするの?
訪問見積もりで自宅に来るのは引っ越し業者の営業担当です。営業担当は受注を取るために、さまざまな手法で契約をせまることもあるでしょう。通常、訪問見積もりにかかる時間は30分~1時間程度です。荷物の確認は終わったにもかかわらず、営業担当が契約欲しさになかなか帰らないこともあります。
ツイッターにもこんな投稿がありました。
今日は引越の訪問見積に来てもらったけど、押し売り臭くなってきたので帰ってもらった。それにしても引越業者も色々あるのね🐸🐜🐼🐨
— てるぽん (@terupon501) December 12, 2018
今の家に引っ越して来る時に訪問見積お願いした会社、約束時間に大幅に遅れたのに、その場で契約を迫り、断ったら「このチャンスは今しかない」とかちょっと脅してきて酷いもんだった。米もいらんわ、って感じだった。
— オム子( °⊿°) (@irasally) April 30, 2020
このように担当者の対応に困った際に使える、営業の断り方をご紹介します。
パターン①
転勤による引っ越しなら「会社が見積書を見て決めるので自分では決められない」と言います。何社か見積もりを取って決める必要があることを伝えれば、値引きをしてくれる可能性もあります。
パターン②
訪問見積もりの後に、予定があることを伝えましょう。人との約束があるので出かけると言えば、長々とねばることもできません。自分から言い出せないなら、スマホのアラームを訪問中に鳴るようにセットしておく方法も役に立ちます。
パターン③
強く言うことができないなら、訪問見積もりの際友人や親戚に同席してもらい帰らせる理由を作ります。友人と出かける様子をみせれば、強く言わなくても帰ってもらうことができます。家まで来るのが難しければ、電話をしてもらうのもよいかもしれません。
女性スタッフに訪問見積もりに来てもらうことは可能?
男性の営業に押し切られることが不安であれば、女性スタッフを指定しましょう。訪問見積もりを依頼する時に、女性スタッフに来てもらうよう伝えます。ただし、最寄りの営業所、または近隣の営業所から女性スタッフを手配できない場合は、お断りされる可能性があります。
また、女性の人数が少ないと日程調整も難しくなるため、早めに確認した方が調整してもらいやすくなります。
以下の引っ越し業者は、近隣の営業所から手配できる場合なら女性スタッフの指定も可能です。
女性スタッフの数が少ない地域もあるため、必ずしも指定ができるわけではありません。ご自身の地域で可能かどうかは、必ず事前に確認してください。
訪問見積もり時にお茶は出したほうがいいの?
訪問見積もりの担当者にお茶を出す必要はありません。営業担当は家具や荷物を確認することが主な目的なため、そもそも座って落ち着くことはありません。次のお宅への訪問予定がある場合は、お茶やお菓子などの差し入れをすると迷惑になってしまいます。
どうしてもお茶を出したい場合は、ペットボトルのお茶を渡せば持ち運びができるため、飲みきれなくても困りません。最初の挨拶で渡すか、荷物を確認し終わった後の見積もり内容を説明しているタイミングで渡しましょう。
訪問見積もりは何社に依頼するのがいいの?
訪問見積もりを依頼するなら、3~5社に依頼して見積内容を比べましょう。家族の引っ越しとなると、作業員も多く大きなトラックを頼む必要があるため、費用は高額になります。なるべくお得な価格で引っ越しを依頼したいなら、複数の見積もりをとって比べれば費用を安く抑えることができます。
また、遠距離の引っ越しの場合は、途中で大きなトラックに積み替えすることがあります。その業者が行う積み替えの方法次第で、金額にばらつきが出ます。引っ越し業者によって料金設定が異なるためどの引っ越し業者が自分の条件に合うか、見積もりを比べてれば判断できます。複数の業者に見積もりを依頼して確認してみてください。
訪問見積もりは何社に依頼するのがいいの?
家族の引っ越しは、基本的に訪問見積もりを必須としている引っ越し業者がほとんどです。ひとり暮らしや単身赴任の引っ越しは、家族の引っ越しと比べて荷物が少ないため、電話見積もりでも対応ができます。電話で伝えることができるということは、新居に持っていく荷物量が把握できる程度だと捉えることができます。
しかし、家族の引っ越しは、基本的に家中すべての物を運び出す必要があるため、たいへんな大荷物になります。大荷物であるために、大きなトラックを手配することになります。自宅周辺の道路状況や、どのサイズのトラックが通ることができるか下見することも訪問見積もりの重要な役割です。引っ越し当日にトラックが家の前に入れない、用意したトラックに荷物が乗りきらない、などのトラブルを避けるためにも、訪問見積もりは必要です。
まとめ
訪問見積もりを受けるメリットは多くあります。引っ越し業者の営業に荷物の量を見極めてもらい、正確な見積もりをだしてもらいましょう。部屋が汚いからといって、必要以上にきれいにすることはありません。荷物の量がわかる程度に片づけましょう。
引っ越し当日のトラブルを避けるためにも、訪問見積もりで正確に荷物の量を伝えましょう。引越し当日に部屋が汚い場合は作業の邪魔になるため、業者が通る動線は確保しましょう。
WEB見積もりやビデオ通話を使った見積もりでも重要なことは、荷物の量やエアコンの撤去などの情報を正確に伝えることです。その点に注意していれば、どの方法を使っても問題ありません。